最低賃金だけ上げると、介護・福祉関連の事業所は運営難に

　最低賃金を50円程度引上げるのだそうです。神奈川県では 現在1,112円ですから1,162円になります。物価がたいへん上がっていることもあり、それくらい上がって当然。もしかすると、それでも実質賃金は下がっているかもしれません。
　ところで、時給1,162円で1日8時間・月21日働くと月額195,000円になります。月給がこれを下まわっている会社はないのでしょうか。その点のチェックは？
　また、介護や障害者など福祉関連の事業所では、最低賃金の時給で働いている方が沢山います。50円の引き上げは神奈川県では４.５％の引き上げになります。しかし、介護報酬は今年度１.５９％の改定でしかありません。自治体から福祉事業に出されている補助金は上がったのでしょうか。
　最低賃金だけ上がっても、これらの見直しがされなくては、これら事業所の運営は厳しくなるのみです。それは、結果として、利用者サービスの低下につながります。
　さらには、厚生年金や健康保険に加入することになる年収106万円の壁も、実質的に上がることになります。それによって働く時間を減らす人も出てきますし、雇用者側もそれを求めることになるのでしょう。
　最低賃金のみ引き上げて、年金や健康保険も含めた雇用制度全般の見直しはされず、多くの事業所への影響もなおざり、社会生活に及ぼす全体的な検討がなされていない点は残念でなりません。


　スイレンが咲きました。毎年１つだけ咲きます。